まだ興奮していて寝付けません。
その時間を利用してブログに書いてしまいましょう。
上野駅 公演口 改札を出ると直ぐ目の前にある東京文化会館。
このホールの雰囲気が好きです。
ここで何度ギエムを見たことでしょうか。
この公演は私の中でも特別のものとなる予感がします。
ロビーにはパンフレットにもあるギエムからのメッセージが
大きなパネルになって展示されていました。
このメッセージがとても良くて、ここでまずジンとしてしまい、
「この34年間の間、私は皆様の国についてさまざまなことを知る機会に恵まれました・・・・時間をかけながら・・・・まずはじっくり見て、視点を変えて見て、びっくりしたり、感動したり、学び、
わかろうとしてきました・・・・。そう、間違いありません!東京のど真ん中を着物姿で行き交う女性を目にしなかったら、上野公園で牡丹の花を守るあの和傘を見なかったら、倉敷の街を自転車で散策しなかったら、京都の苔寺を拝観しなかったら、ありとあらゆる種類の竹箒を買わなかったら、庭園や龍安寺を初めとするお寺を訪れなかったら、福岡で生まれて初めて陶芸を体験しなかったら、また、礼儀作法や洗練された懐石料理、書、いけばなの花籠、織物などの素晴しさを理解できなかったら、5時間もかけて和傘や和紙の職人を訪ねに行かなかったら、
今の私にはなっていなかったでしょう。10年以上前だったでしょうか、ある女性からいただいた素晴しい手紙、そこには “ もう訪れることのことができなくなる山間の自分の家に永遠にさよならを言って自然に還すことにする ” とありました。・・・・あるいは、 “ あなたが踊り続けられるように自分の人生の何年かを捧げたい ” という若い女性からの手紙、これらの手紙を読んでいなかったらまぎれもなく今の私ではなかったでしょう・・・・また、ごまだれそばを好んで食べなかったら、または瀬戸内海に浮かぶ直島、そして永久に忘れることのできない思いを抱いた長崎と広島の碑文 “ 安らかに眠って下さい
過ちは繰り返しませぬから ”・・・・このような経験、そして他にも数々の経験がいまの私の、私の生き方や踊り方の一部になっているのです・・・・。34年にわたり、私は日本や観客の皆さま、そして日本国内の舞台と特別な関係を築いてまいりましたが、お別れを言う時が訪れてしまいました。でもさようならは決して簡単なことではありません。どのように言っていいかもわからないし、本当は言いたくもありません。
でも私は踊ることが大好きです。ですから、皆さまのために踊りましょう、このさようならに!!!!!!」
ギエムは時間をかけて日本を理解し、
観察し続けてきてくれたことがよくわかりました。
奥ゆかしく、行儀がよく、礼節を大切にする日本人と文化、
自然をとても愛してくれたように思います。
3.11以降もずっと応援し続けてくれました。
DANCE MAGAZINE (ダンスマガジン) 2014年 11月号 シルヴィ・ギエム「ボレロ」[雑誌]
この大きなパネルを見るときも皆さん一定の距離を保って見ています。
そして撮影しています。
パネル前にロープがあるのかと勘違いするほどでした。
皆さん本当にマナーが良いです。
また、このツアーはギエムのドキュメンタリースタッフも同行しており、
ギエムへのメッセージをお願いしますというブースもありました。
中に入ってカメラの前でメッセージを伝えます。
もしかしたらドキュメンタリーに使われるかもしれないというおみやげ付き。
そこらじゅうにファイナル感があふれています。
いい空気が充満しているだけで幸せになります。
何かにこのパワーを使えるといいなと考えちゃうくらい。
開演までの時間でこのボリウムです。気持は上がりっぱなしでした。
座席は1階なかほど右寄りのなかなかのいいポジション。
胸が高鳴ります。左横は男性お一人様、右横は女性お一人様。
私も一人。いい感じです。見た限り会場は満席。
湯気が見えるような熱気に包まれています。
ブザーが鳴りました。照明が落ちました。いよいよです。
本編はこの次につづきま〜す!